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    <h2>45年間の長きにわたってイングランドを統治した名君エリザベス1世</h2>\r\n
    <p>&nbsp;</p>\r\n
    <p>16世紀後半から17世紀初頭にかけてイングランドを統治した伝説の君主エリザベス1世。45年間に及んだその治世下にイングランドは未曽有の発展を遂げます。それまでは北海付近の弱小国と見なされていたイングランドでしたが、女王の時代になって「イングランドここに在り」と存在感を増すようになります。歴史上の人物として「グロリアーナ=偉大なる女性」の愛称によって広く知られているエリザベス1世ですが、この呼び名は女王の在世当時から主に文芸上で一般的に用いられていました。時は大航海時代の真っ只中の16世紀、スペインやフランスなどの強国が、イングランドに先駆けて海洋の覇権を競い合っていた時代でした。そのような時代背景の下に、エリザベス1世を君主として推戴したばかりのイングランドは、フランシス・ドレークを始めとする有能な航海者たちを世界に送り出し、後の帝国主義の基盤を構築するに至ります。ヘンリー8世から王国を受け継いだエリザベス1世は、父王の時代に考案された「国王至上至」を改めて発布し、プロテスタント国家としてのイングランドにおける自身の権威の強化を図ります。プロテスタントに情け容赦ない弾圧を行った先王メアリー1世とは対照的に、エリザベス1世の宗教政策は極めて穏健であり、一定の距離を保ちながらもカトリックの懐柔を軸としたものでした。女王の母はヘンリー8世の2番目の妃アン・ブーリンでしたが、2歳の時に母が処刑されたため女王は私生児の扱いを受けていました。また、異母姉妹の姉に当たるカトリックのメアリー1世の即位後は、カトリック転覆の咎によってロンドン塔に収監されたこともありましたが、事件の首謀者が処刑される直前に女王の身の潔白を証明したために難を逃れることができました。メアリー1世は自身の母キャサリンを貶めたアン・ブーリンの子であるエリザベスのことを生涯憎んでいましたが、なぜか崩御の前日にエリザベスを自身の後継者に指名していました。名実ともにイングランドの女王として即位したエリザベス1世はその後、半世紀近くの長期在位を謳歌します。女王の在位期間は文化・学術面において英国が新たな境地を見出した特別な一時代でもありました。クリストファー・マーロウやエドマンド・スペンサーなどの有能な文学者を世に送り出したこの時代は、イギリス文学にとっての黄金期と見なされています。そして何よりも同時代最大の収穫として、劇作家ウィリアム・シェークスピアの活躍が挙げられます。数多くの傑作を創造した彼は、当時のロンドン劇界の寵児として脚光を浴び、英国史上最大の才人として後世に名を残しました。女王が遺した「私は見る、そして語らない」の言葉は、そのまま女王によるイングランドの統治姿勢を表しているように思われます。自らの意に沿わない法案であっても、議会が下した決断には必ず従うというという女王の意思には、後の立憲君主制に通じるイギリスならではの政治形態を見出すことが可能です。</p>\r\n
    <p>&nbsp;</p>\r\n
    <h2>エリザベス1世が生きた時代の歴史的事象を記念して発行された傑作銀メダル</h2>\r\n
    <p>&nbsp;</p>\r\n
    <p>想像もしていなかった自身の即位を神による奇跡と捉えていたエリザベス1世。女王はその本意の通りに君主としての責務を忘れることなく、崩御の瞬間までイングランドの統治者であり続けました。現代の英国人が抱く歴史上のエリザベス1世像は多分に誇張されているかもしれませんが一般的には名君のイメージが強く、時に神格化されたカリスマ性がクローズアップされることもあります。これは、生前の女王によるイングランドの再プロテスタント化の推進や他の各種政策が、女王の崩御後約20年を経て再評価の対象となったことによる結果と考えることができます。エリザベス朝時代を通じてイングランドの宿敵であったスペインを撃退するためにオランダを支援した経緯によって1586年にオランダの造幣局が発行された記念銀メダルのご紹介です。表面中央には玉座に座るエリザベス1世が見られ、女王の面前でイングランドの代表がオランダの使節団に剣を授けている荘重な場面が描かれています。そしてメダル裏面には、上向きの剣が光彩を放つ上部の雲を打ち破るシーンが描かれており、イングランドにとってはオランダと共通の敵であるスペインを撃退する強い意志を感じ取ることができます。1585年のノンサッチ条約の締結によって、お互いの利害関係を確かめ合うことになる二国ですが、それがその後のイングランドとスペインの決戦に繋がり、イングランドによるスペインの無敵艦隊の撃破を実現することになろうとは思いもよらなかったことでしょう。歴史的事象を表裏に描く当銀メダルは、エリザベス1世が生きた時代のメダル芸術の傑作として今日まで継承されてきた奇跡的文化遺産に相当するものです。</p>
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