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    <h2>19世紀に復活した新生ソブリンの流れを汲む現代ロイヤルミント渾身の傑作の登場</h2>\r\n
    <p>&nbsp;</p>\r\n
    <p>今日イギリス連合王国が発行するコインの中でも最上位に位置するものとして、別格の扱いを受けているのが他でもない「ソブリン」の名によって知られている金貨や銀貨です。その歴史は古く、1489年10月28日にテューダー朝の初代国王ヘンリー7世が自身の即位を記念して上質な金貨の発行を命じたことが始まりでした。しかし、その当時は純金の含有率が時として定まらず、貨幣としての価値の不安定要因となることもありました。そして次のヘンリー8世の時代には、ソブリン金貨の金含有率は22金に設定され、再びイギリスの法定金貨としての権威を取り戻します。大航海時代の真っただ中にあったイングランドは、対外的な貿易の決済通貨としてこのソブリンを用いていましたが、ことヨーロッパ諸国におけるイングランドの発行によるソブリンの評価は高く、最も信頼のおける通貨として重用されていました。その後、テューダー朝も後期に差し掛かり、エリザベス2世の時代を迎えますが、生涯独身を貫いた女王には継嗣がいなかったため、イングランドの王位継承権を持つスコットランドのジェームズ6世がイングランド国王ジェームズ1世として即位します。それまではイングランドにとって最も重要な法定金貨であったソブリンは新国王の命によって廃止され、1604年にはイングランドとスコットランド両国の統一を願って名付けられたユナイト金貨が発行されるようになります。その後、200年以上もの長きにわたってソブリンと呼ばれるコインが発行されることはありませんでしたが、19世紀初頭には思いがけなくこの名を冠する貨幣が復活することになります。そのきっかけとなったのは、19世紀初頭のヨーロッパ全土を震撼させたナポレオン戦争でした。ナポレオン戦争の終盤戦に当たる1815年のワーテルローの戦いにおいて大勝利を収めた英国軍でしたが、国内の経済状況は混迷を極めており、それを解消すべく新たな貨幣制度が導入されることになります。金本位制を主軸とするこの新しい解決策は直ちに採用され、新たな貨幣の制作が急がれます。英国経済を復活させる目的で考案された新しい金貨には、200年以上前に一旦貨幣界から姿を消していた「ソブリン」の名が再び与えられ、1ポンド貨幣と等価の通貨として採用されることになりました。それ以降、この復活した新生ソブリン金貨は歴代君主の治世を象徴する最上位の貨幣として、今日まで脈々と受け継がれています。最近まではソブリンといいますと金貨が主流と受け止められていた感がありますが、2025年にはソブリンの名のもとに史上初の銀貨が発行され、コレクターを中心として高い人気を獲得しています。ジョージ3世の治世後期の1817年に初発行となった新生ソブリンの第一号の裏面を飾ったのは、今もなおソブリン貨裏面の定番のデザインとして継承されているベネデット・ピストゥルッチ作の有名な「聖ジョージの竜退治」です。古代ローマ時代に実在した殉教者ゲオルギウス(英語名はジョージ)が馬上から悪を暗示するドラゴンを槍で一撃の如く退治する名シーンを描くこの意匠は、英国貨幣界における真の傑作として、歴代ソブリン貨を始め、その他、数多くの英国コインの題材として愛され続けてきました。今回ご紹介させていただく作品は、19世紀初頭に奇跡的に復活したソブリン金貨の歴史を記念して世に贈られる現代の伝説です。コイン裏面には定番の聖ジョージのデザインが掲げられていますが、何度見ても飽きの来ない純粋な美しさに再び心を奪われる方も多いことでしょう。コイン表面には、2022年の代替わりに際して王位を継承した現イギリス国王チャールズ3世の公式第1肖像が刻まれています。「君主」を意味する語であるソブリンの名を与えられた貨幣は国王の治世の安泰を願って代々発行されてきましたが、その集大成ともいえる記念コインがチャールズ3世の御代に発表されることは極めて意義の深いことです。ここにモダンコイン屈指の傑作が誕生したことを嬉しく思うとともに、ロイヤルミントを頂点に戴く英国貨幣界の更なる発展を願わんばかりです。</p>
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